当協会は、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)が科学技術の学びを通して日本とアジアの若者同士の交流を深めることを目的として行っている
「さくらサイエンスプログラム」#sakurascience を活用して、東南アジア諸国からの学生の来日研修を行っています。
2023年度は6月にタイ青年友好同窓会 (FYAA) の協力を得てタイの高校生と大学生7名を招へいして実施しました。
さくらサイエンスプログラム(タイ人高校生/大学生 来日研修)概要 | |
実施期間 |
2023年6月6日(火)~12日(月) 7日間 |
方法 |
日本に招へい |
対象者 |
高校生(4名)大学生(3名)引率者(3名) |
現地協力機関 |
タイ青年友好同窓会(FYAA) |
内容 |
・会社訪問【トーヨーカネツ株式会社 千葉事業所・横河電機株式会社】 最新のAI技術や産業用ロボットが実際に使用されている現場を見学したり、講義を受けた。 ・学校見学【品川女子学院高等部、芝国際高等学校、武蔵野大学】日本人生徒/学生達と科学実験やディスカッションを通じて国際交流を行った。 ・その他【港区立みなと科学館、武蔵野クリーンセンター、池袋防災館、日本科学未来館、KAWSAKI ROBOSTAGE】 最先端の科学技術やロボット工学について知識を深め、また日本の災害対策や環境問題についても学習した。 |
バンコクから羽田に朝7時前に到着。空港には協会から理事たちが出迎えました。 その後、港区立みなと科学館で宇宙、エネルギー、気象に関する展示物を見学し、 協会事務所でオリエンテーションを行いました。そして宿泊場所である国立オリンピック記念青少年総合センターへ移動し、協会理事と日本人大学生も交えて歓迎会をしました。
午前は移動の途中に明治神宮・原宿駅周辺を散策しました。 お昼は品川女子学院高等部のみなさんと一緒に食事をとり、積極的に声を掛けてくれたおかげでタイの参加者達は緊張がほぐれ、会話が弾みました。午後は高校2年生の化学の授業に参加させてもらいました。 英語やジェスチャーを交えたコミュニケーションを取りながら、身近にあるものを使って化学反応を見る実験を行いました。その後、茶道部を見学しました。はじめて畳の部屋に上がり、美しい所作とお点前で美味しくお茶をいただきました。日本の伝統文化の素晴らしさも知ることができました。
武蔵野市にある横河電機株式会社を訪問しました。工業機器、プロセス制御システム事業の電機メーカーです。今回はAIを使った水制御システム、宇宙事業、グローバル・レスポンスセンターについて学習しました。ロボット工学を専攻している参加者たちにとって非常に興味深い内容で、たくさんの質問が出ました。その後、武蔵野クリーンセンターへ移動し、横河電機株式会社の制御システムが使われている所も見せていただき、説明して下さいました。また、焼却所内でごみを燃やした灰はエコセメントとして再利用されていることも学びました。夕方には武蔵野大学へ移動し、アントレプレナーシップ学部の学生達と交流をしました。小グループに分かれて、「日本のどんなものをタイに取り入れたいか」というテーマについてディスカッションを行いました。
木更津にあるトーヨーカネツ株式会社千葉事業所を訪問しました。 こちらの企業は、エネルギー備蓄用タンクの製造と物流システムのメーカーです。入口の外ではタイの国旗が高く掲揚され、社員のみなさんがタイの小旗を振りながら温かく出迎えて下さいました。 ここでは自動倉庫内における産業用ロボットが実際に稼働している現場を見ることができ、参加者たちは大変喜び、その後の質疑応答も活発に行われました。
午前は池袋防災館を訪問し、人命救急、消火器の使い方、火災による煙からの避難、大地震の体験などを通して、日本の災害・防災について学びました。 午後は芝国際高等学校を訪問し、日本人の生徒さん達と一緒に昼食を取りながら交流をしました。その後、物理の授業に参加させてもらい、卵を2階から落としても割れないような工夫を施す実験をグループに分かれて行いました。すべてのグループが実験に成功し、グループワークにより友情が芽生え、帰り際には名残惜しい様子が見られました。
研修最終日。 日本科学未来館やKAWASAKI ROBOSTAGEを見学し、日本の最先端の科学技術や産業用ロボットについて学びました。 夕方からは協会の理事や日本人大学生たちが集まり、修了式とさよならパーティーを行いました。 1人1人に修了証が手渡された後、参加者たちからプログラムで学んだ成果の発表がありました。その後、タイの衣装を着て伝統的な踊りを披露してもらいました。 日本人学生たちも、みんなで一緒に楽しめる出し物を考え、タイの参加者も知っていた「ドラえもん」の歌を日本語で一緒に歌いました。 そして最後に、参加者全員で輪になり盆踊りを楽しみました。
小雨が降る朝、今回の様々な研修を通して大きく成長した参加者全員が、元気に帰国の途に就きました。 このプログラムでは幅広い交流を通じて両国の友好関係が深められ、多くの人にとって実りある研修の機会となりました。